140の範疇外

Twitterに書ききれないことを書くところ。

県下最大の廃墟の話 後半

Q.なんでフロントまで入れた1Fの探索を前半に纏めなかったの?

A.こっちの内容がスカスカになるから

 

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フロント。誰も立たないフロントってなんかさみしいよね。

 

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営業していた当時の様相。

オルガンの鍵盤を1つ弾いてみると、しっかりと音が鳴った。

正直ならないと思っていたからびっくりした。

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オルガンの横には本が数冊と小便小僧の写真。

 

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お土産コーナー。さすがに商品は残っていなかった。

 

フロントから大広間に向かう道中、事務室があった。やはりホテルで残留物を探すならこの類の部屋が1番見つかりやすい。

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古いパソコン。形式に詳しければ楽しかったのだろうが。

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隣接してこのような部屋もあった。従業員の控え室?

ベッドも設置。

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大広間へ向かう。途中の通路。

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なんの骨?

 

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扉を開けると一気に明るくなった。

そして歓迎という看板、大広間だ。

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                                     広い。

   

めっちゃ広い。しかし広いだけで何も無い。

より空虚か。いや大広間だなのだから残留物を期待する方が間違いか。

 

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大広間ステージの袖に和太鼓が残っていた。

しかし暗い。

 

ここから2階以降、客室を見て回ったのだが如何せん流し見であったのでいよいよ添える文章がない。写真を並べていこう。

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………………!?

二部屋ぶんしか写真が見当たらない。

確かに客室を撮った記憶は薄いが、そうかそんなに撮っていなかったか。

 

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その割には有料チャンネルの出演者表は撮っていた。お前…

 

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階をまたぐ階段。崩壊が酷い。

この写真の右下、繁殖した苔。f:id:toiro1107:20200510144235j:image

 

6階の廊下から外を見る。先程探索した浴場エリアが見下ろせた。

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階段を登り上がり、最上階は7階、フロアガイドにはスカイラウンジと書いてある階。

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なるほど確かに

ラウンジである(?)

当時は景観も良かったのだろうが、いや今も変わらないのだがーー

なにせ雨漏りが酷い。写真を見ても床が濡れに濡れている事が分かるだろう。つまるところ窓際まで行きたくなかったのである。7階で床踏み抜いたらシャレにならないし。

 

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雨は降らずとも水滴が落ち続ける。

 

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スカイラウンジの入口に消化器が撒いてあった。DQNの侵食は止まらない。

 

ところで。

今一度フロアガイドを見返してみると、スカイラウンジの上にも何かがあった形跡がある。f:id:toiro1107:20200510155940j:image

 

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8階へ進む。そこにあったのはーー


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風呂だ!


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ライオンの顔からお湯がでる風呂だ!

 

そこまで感動するものでも無いな。

ラウンジのと同じ椅子が積み上げられているから、ここはホテル閉業より先にその運用を止め、最後は物置として使われたのだろう。

 

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洗面台も当時のままに。

 

この風呂から更に上階、これはもはや屋上だが。

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水を湛えた屋上。山嶺が映る。これは出ていけないなぁ…。

 

帰りは、登ってきたのとは別の階段を降りて帰った。探索の帰り。気持ちよく行きたいものだ。

 

これは踊り場。

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うわぁ…。

 

以下余談。

 

ホテルを出たあと、隣接している社にお参りしていった。

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この社、斜面にそって参道が作られているためたどり着くのに少々の労力が必要であったり。

 

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上から参道を見下ろす。そもそもこれは参道なのか。

 

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横目にホテルが見える。客室も見ていったら探索に何時間かかったのだろう。

 

 

県下最大の廃墟の話 前半

何か文章を添えられるほど深く探索をした訳ではないのだが、見返してみるとそれなりに面白い所であったので折角だから一つ書いてみようという気になった。

 

導入。

友人が運転する車でスキーに出かけた。その帰りに、そんなに遠く無いなら廃墟に行ってやると嬉しい申し出をしてくれたので存分に甘えることにした。

 

して、日本海に面する温泉街にそのホテルはあった。このホテルが在する県で最大の廃墟だという。

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外観。大きな崩壊はないように見える。

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駐車場の隅に社用車が置き去りにされていた。

モザイクは配慮。

 

しかしどうにもこのホテルは過去の探索の情報が少ない。閉業もそこまで昔ではないから、全て締め切られてるんじゃないか。

などと考えていたが。

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窓が一つ空いていた。出たのはこんな部屋。

用途は不明。というかカビがヤバい。

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というか床に散らばってる黄色いのはマジで何なんだ。写真を見返しても全然思い出せない。

 

移動。トイレ。

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先程このホテルの閉業が昔ではないと書いたが、具体的な年で言えば2013年である。

10年も経たぬうちにここまで分かりやすく劣化してしまうものだ。

 

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ホテルのフロアガイド。確かに大きなホテルだ。

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れすとらん。光を多分に感じられる。

廃墟の中で日光を見ると安心する話。

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厨房。

今回はいつもに増して写真が撮っただけの写真感がする。というか実際そう。

言い訳は最後に。

 

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おいしそう。

 

レストランを後にし、大浴場へ向かう。

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かつて公衆電話が置かれていたであろう台。

タウンページが残る。

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廊下を進む。雨漏りが酷いのか床が陥没しかけていた。

 

以下大浴場「ローマの湯」

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おそらくこのローマ風の彫像が中央に立ってたからローマの湯と名付けたのだろう。
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天井が崩落している。

 

 浴場を出ると、囲炉裏やマッサージチェアなど休憩スペースが設けられていた。

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廃墟でマッサージチェアって初めて見た。

 

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道中のリネン室。館内着か何かがかかったままになっていた。

 

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フロアガイドには書いていなかったが、岩盤浴も設けられていたようだ。床数は少ないが。

この岩盤浴の脱衣所にもトイレが付いていた。

不肖廃墟のトイレ大好きな私、いそいそと個室に踏み込み、


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床が沈んだ。見てみればほんの数センチだが、あの感覚は相当に怖い。やはり廃墟。

 

フロアガイドに露天風呂と書いてあったから、探してみると確かにあった。

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が、流石は露天。通路には外から入ってきた植物が枝を伸ばしていた。

掻き分け、着いたのがこの風呂。

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うわぁ…

 

この他にも、家族での貸切露天風呂もあった。

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だんらんの湯。なんとも穏やかな風呂だ。
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うわぁ…

 

……

 

………

 

…………

 

(後半へ→ ホテル1Fフロントからスタート)

 

以下言い訳。

今回付き合ってくれた友人は決して廃墟趣味という訳ではなく、ゆえに今回の訪問はパッと撮ってパッと帰る、が目標であった。

しかし廃墟でカメラを構える趣味なれど、本懐は廃墟を訪れる事にあるのだからそちらは達せたという事で、ええ。

 

 

山の上のお城の話

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二階建て。コンクリート製。

これをお城と呼んでいいものか。疑問はそこに帰結するわけだが、この廃墟、名前をT城というのだから城と呼ぶ他ない。

 

この城はごく低い山の上にポツンと建っている訳だが、流石は廃墟への道。整備などされていない。ここを訪れた先人は麓の神社より山に入ったそうだ。

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件の神社。このすぐ横に、裏へと続く道がある。

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山に入って早々につづら折りの道になる。

歩きづらさこそあまりないが、進むにつれて道が分かりにくくなる。

というか私は道を見失って無理やり登った。

 

まもなくその城は見えてくる。ーーこの記事最初の写真がそれであるがーー

見えてくるにつれ、その小ささも分かってくる。一般家屋よりはもちろん大きい。だが、観光スポットという当時の思惑を考えるとどうにも…?

 

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この日は徳川まつりの誕生日であった。

お城に連れてきたが、残念この城はきらきらでもびゅーてほー!でも無いのである。

上記の文は私が乱心したのではなく。

いやこの写真自体がけっこうな乱心では。

……

………

 

この小ささであるから、内部も狭い訳である。

その上床の崩壊も進んでいる。あぶねえ。

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辛うじて丈夫な部分を歩く。万が一落ちてもせいぜい1メートル程度であろうが、廃墟で怪我はしたくないものだ。

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1階部分。残留物も僅かであり、崩壊の進んだ屋根から光が差し込む。なんとも寂しい場所である。

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しかし施設内に2つ残っている箪笥は見事なものだった。どちらも保存状態は悪いが、この崩れ加減が個人的に好みである。

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同じ角度でしか撮れないのは、素直に私の技量不足を恨む。このブログを書くために写真を選んでいて驚いた。似通った写真しか無いじゃないか。

 

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他に目立つ残留物といえばこれだろう。

ただ、これが何者であるかが分からない。

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入口付近にはガラスケースが残っていた。ケースとしての役割も囲うガラスも、とうに無くなっていたが。

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窓にはカーテンが掛けてあった。しかしこの劣化。もはや本分ここにあらず。

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2階へ向かう。床の崩壊に比べ、階段は構造のおかげかかなり丈夫な造りになっていた。

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2階は1階より更に狭い。畳が敷いてあるが、果たしてここはどのように利用されたのか。

 

そしてこの2階、残留物と呼べるものが殆ど無い。クッション等は残っていたが、時代を示すもの、現役時の資料はまるで無し。残念ながら、歴史的な魅力はなかなか薄い物件である。

そもそもコンクリートな時点で。

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2階を囲うようにベランダが設置されている。

風と日差しが穏やかな日だった。

 

城から出て、来た方向と反対に歩くと小さな小屋が見えてくる。というかトイレ。f:id:toiro1107:20200225034328j:image

内部。

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洗面台の落書き。そんなに怒らなくても。

 

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他の周辺施設。櫓?

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これは物置小屋。

ところで、この櫓から小屋まではなだらかな山道を下るのだが、道中にお地蔵様がいた。

写真を撮ろうとしたが、どうにも撮らない方がいい気がして結局撮らなかった。

こう思った理由は説明できないのだが。

 

さて、前情報でこの廃墟は城のみだと思っていたがこれが間違い。城から伸びる山道を下っていくと、ススキの茂る平らな土地にこのような建物があった。

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(物件名映り込みによりモザイク加工)

↓↓↓以下内部↓↓↓

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f:id:toiro1107:20200410123746j:image 大部屋。

この大きな部屋と通路、トイレで構成されている。フロントのようなものもあったが。

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トイレ。飛び出た大便器。


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この地域の山嶺をかいたであろう壁面。意外にも落書きは少なく感じた。写真こそ撮らなかったが、BB弾が施設中に散らばっていたが故の意外である。

しかし落書きは無くとも、BB弾による建物への損傷は各所に確認出来るため全く褒められたものでは無い。

不法侵入が何を偉そうに。

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入り口にて打ち壊されたテレビ。

 

しかし、どうにもこの施設に関しては現役時代にどのような様であったかが分からない。

順当に考えれば、城がレジャー施設であるのだからその一環となるのだろう。それなら壁面に彩色画が残るのも納得できる。

 

建物から出て、ススキ原を歩いているとトイレを見つけた。またか。

しかしこのトイレが凄い。女子トイレは至って普通なのだが、

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男子トイレの小便器がこれ。

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少なくとも私は青色の小便器を初めて見たし、

なおかつ5つ綺麗に並んでいる

一切の破壊がない

という状態で残っていた。廃墟において便所を重視する私にとって、これはかなりの僥倖であった。

この5つ並ぶ姿を撮れただけでも広角レンズに感謝せねば。

 

トイレの裏から舗装された道が続いていた。

f:id:toiro1107:20200410125002j:image左端がトイレの建物

これを辿ると、低いフェンスを経て一般道に出る。

 

つまり、冒頭の神社からアクセスする道は端から裏道だった訳だ。これが分かっただけでも、行きに苦労したかいはあったのかもしれない。

次は楽に行く。

 

本題終わり。以下余談。

探索の帰り、駅に向かって歩いていると駄菓子屋を見つけた。店のおばちゃんにこの城の事を聞いてみると、近くにあったレストランのオーナー等が観光の一環として作ったものだという。この話の真偽はまだ確かめていないのだが。

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その駄菓子屋。古き良き?(撮影許可済)

また、この日から私のカメラにNikon D750とレンズAF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED

が加わった。

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広角、スゴい。

 

余談終わり。

 

小さな温泉旅館の話

廃墟を探そう。

そう思い立った時にこのご時世非常に便利なサイトがある。界隈にいる方々にとっては名前を出すまでもない、某地図の事だ。

掲載されている物件は数知れず、私も度々お世話になっているが、果たしてこれが全ての廃墟をマークしているかといったら答えは否。廃屋をはじめ、小さな物件は見逃されがちだ。

今回はそのうちの一つ、現役時代にむしろ名を馳せた温泉旅館の話である。

 

2019年4月30日、平成が終わるその日に私は雨に打たれていた。廃墟に行くからと荷物を減らしたら、傘を家に忘れたのである。つめてェと文句をたれながら道を歩き竹藪を漕ぎ、f:id:toiro1107:20191217043150j:image

着いたのがココ。目的の物件の裏側。

正面は現役の民家に面しているため、リスクを考えたらまだ草木を突っ切る方が安全という。

回ってみると都合よく空いている出窓があったのでそこから入館。

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(物件の名前の写り込みによりモザイク加工)

出たのは大広間だった。

見た目こそ普通の大広間だが、この物件の現役時代のエピソードを知っていると、当時のことが思われて複雑な気持ちになる。

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大広間横の廊下。外の雨の音がよく聞こえた。

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廊下を抜けた先、正面エントランスと大浴場をつなぐ廊下。小さい割に複雑な物件だ。

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エントランス付近、上の写真にも写っているタバコの自動販売機。こんなマイナー物件にも泥棒は入る。DQNかもしれない。

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玄関部分に行こうとしたらこれだった。

行けないこともなかったが、万が一も考えて引き返す。メインはあくまで大浴場だ。

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木の看板の提げられた通路。ここを過ぎればもう風呂に着く。

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大浴場。この物件の目玉であり、現役時代の

ここを有名たらしめた施設である。

当時は緑鮮やかであっただろう植栽は僅かな花を残して枯れて、豊かな湯を湛えた浴槽には枯葉が溜まり。

廃墟化した温泉はここに侘しさを感じられる。

ちなみにここに入った瞬間植栽が揺れ、身構えた瞬間にタヌキが飛び出してきた。

驚かせてしまったのだろう。悪いことをした。

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奥から手前側への視点。驚いた事に、白く塗りつぶされた窓の奥が女性用の浴場だ。f:id:toiro1107:20191217052558j:image

中の様子。男尊女卑をそのまま風呂にしたような広さの差だが、察しのいい方はこの施設がどのような物だったかそろそろ理解して頂けているかもしれない。明確な答えは言わないが。


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カランには当時のものがそのまま残る。中身を確かめる気にはならなかった。

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ここが女湯への入口。お手製の「女」の文字がなんとも。

大浴場を後にして、宿泊施設を有する2階へ上がる階段を探す。

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施設の中を歩く。便器を撮る。

風通しがいいから臭いは何も感じない。

 

2階への階段を見つけた。しかしその写真を撮っていないミス。鬼怒川で何を学んできたのか。

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客室を廊下から。静けさが心地いい。

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この客室に入る。1部だけ切り取れば、まるで現役の佇まいだ。枯葉が落ちてるけど。

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物置部屋も客室のすぐ側にあった。天井の崩壊が激しい。今年の台風でどうなったか。


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そんな物置部屋の入口に人形が転がされていた。いつ倒れてしまったのだろう。その姿勢も苦しかろうに。

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角部屋はシーツなどを干す部屋に使われていた。窓が多いため日がよく差し込む。

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2階を撮った最後の写真がこれ。見返したら全然撮っていない。

 

ここから復路を辿り、施設の外へ出た。相変わらずの雨。帰りにコンビニで傘を買っていった。

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本題終わり。以下結び。

 

しかし今この文章を打ちながら見てみると、残留物が少ない物件であるように思う。しかし可能性として行くのを諦めた先、エントランスに書類などはまとまっているのかもしれないから、ここもつまり再訪予定地である。私の廃墟探訪、そればっか。

クリスマスにかっぱの話 後半

かっぱ要素は前半で終わりだよ。

クリスマス要素は欠けらも無いよ。はい。

 

鬼怒川2日目。かっぱ風呂周辺の廃ホテルを見てまわる。といっても内部に入ったのは1軒のみ、これも心残り。

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ほとんどが東武鬼怒川線沿いにあるので、歩きやすさでいえば立地は最高だ。

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1軒目、これは扉が閉じられているので外観だけ。なかなか大きいホテルだけに、中を見てみたかった気持ちも大きい。

 

2軒目、ホテルの近影を撮り忘れる初歩的なミス。外観だけなら、1枚目の写真に写っているホテルがそれである。

 

↓↓内部↓↓

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このホテルにも鹿がいた。お隣に比べて可愛い。

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エントランスを過ぎてバーへ。

途中の廊下にあるこれは男根のようにも見えるがここはホテルだし、はて。

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バーの壁面には先に探索したであろう人達が残していったものが。なんていうか、うん。

 

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別の食事処。ジョッキやグラスが並び、非常に保存状態がいい場所だった。


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なにせ客室がこれだ。

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廊下がこれだ。

崩れるという事は無いだろうが、内部の劣化が激しいホテルだった。

 

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事務所内。テーブルの上に置かれていた写真を見ると、このホテルが営業していた当時の外観を写したものだった。

たった1枚の写真に残るかつての隆盛は、どこに消えていってしまったのか。

それを問おうにも、このホテルは静寂が過ぎた。

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宇宙メニュー。アポロ計画に夢を見たホテルはしかし、

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時代の流れに飲まれていった。

 

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ホテルも上まで登ってきた。このフロアに客室は無く、広間やカラオケが設けられている。

廊下はガラス張りゆえに外の景色も見渡せる。対岸は現役のホテルであり、それがなんとも言えぬうら悲しさを誘う。

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カラオケルーム。設備だけ見れば、そこまで古くないように見える。

 

場所は打って変わって大浴場。ホテルの下部に併設されており、この構造はかっぱ風呂を彷彿とさせる。やはり鬼怒川に近づけたかったのだろうか。


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8つの風呂を巡る型式の大浴場。

後日気づいたのだがこの浴場、男女の区別はどうなっていたのだろう。

時間交替制だったのか、はたまた混浴だったのか。

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かっぱの代わりにカエルが三匹。浴場の入口にて客を待ち続ける。

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脱衣所は崩壊が酷かった。洗面台を見ると人為的な破壊も見て取れる。

 

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ホテルの内部において最後に訪れたのが厨房だった。私の主観だが、現役の頃を色濃く残す厨房はかえって廃墟の様相をよく表しているように思える。

 

 

ホテルを出て更に歩いた。鬼怒川公園駅に近づくにつれ、更に人通りはまばらになり廃墟化した建物も多くなる。その中に一つ、大型のものが。

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グリーンパレスと書いてあるこのホテルは、閉業しているのだろうが中に入るのは躊躇われた。閉業はここ数年、おそらく業者が入っている。

こう考えると、ここはまだ休業から廃墟化への途上段階にあるのだろう。

せっかくの敷地、どうにか活用してくれればいいが。

 

 

自分が赴いたのが平日という事もあったのだろうが、鬼怒川温泉の寂れ具合は想像以上であった。前半にて廃墟群がテレビで取り上げられると書いたが、その見出しはたいてい

「なぜ?  観光地に廃墟群」

といった旨のものがつけられる。

解体されないのか、だとすればどうするのか。

この論が決着を見るのは何年後なのか、私には分からない。

だが、せめて廃墟としての終末を迎える時は穏やかなものであるように願う。

クリスマスにかっぱの話 前半

私は今NikonのD7500というカメラを使用している訳だが、このカメラを購入したのも随分最近、今から11ヶ月前の2018年12月の事だ。

以下、その時の話。

さて、12月ともなれば世間はクリスマス一色。私も買ったばかりのカメラを携えて、撮影に出かけようと家から飛び出し

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スペーシアにて日光鬼怒川へ。

クリスマスとか知ったこっちゃねえわ。

思い立ったが吉日、かっぱ行くぞかっぱ。

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して、鬼怒川温泉駅に着いて少し歩いたところ解体中の元湯の駐車場に新聞が落ちていた。

昭和47年11月6日。

これが鬼怒川かぁ……。

 

最近ニュースで鬼怒川ホテル廃墟群の特集が組まれる事が多くなった。しかしこの温泉地、廃墟はホテルだけに収まらず。f:id:toiro1107:20191123011248j:image

消防署も廃墟状態。

写真こそ撮っていないが役場みたいな建物も廃墟状態。

いつかどこかで聞いた、

「廃墟見たきゃ温泉地に行け」

という言葉が脳裏をよぎった。それ程までに廃墟。

 

 

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か  っ  ぱ  風  呂  。

百聞は一見に如かず、とはよく言ったもので。この温泉地が寂れていることを理解していても異様な光景だった。

扉という扉は閉じられ、窓という窓は塞がれ、

どうやって中に入ったものか。

実はホテルの周り歩いてみれば案外分かりやすかったり。

↓↓内部↓↓

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ホテルの厨房は、銀色が目立つが案外ホテルによって違いがある。そんな違いを探すのも楽しみであったり。

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当時のファイル。料理も色褪せる。

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上階へ。大きな窓から見える景色は現役そのものであった。

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そんなことは無かった。

 

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1枚目:バーカウンター

2枚目:ホテル屋上

3枚目:客室内部

余談。ホテルの屋上に出た時、ちょうど横の線路を電車が通過していった。私に気づいた人いたかな。

 

ホテルに遺されたものたち

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1枚目:鹿の剥製

2枚目:古いAV

3枚目:ゲームコーナー

余談。このホテルには鹿の剥製が2体いる。前情報があったからいいものの、不意に現れたらわりかしビビるかもしれない。

あとAVのパッケージ左の文章が個人的にツボ。おめでとさん!

 

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「そろそろ風呂に辿り着きたい」

この時、ホテルの中で迷いかけていた。

かっぱ風呂はどこだ。他の方のブログを見よう。ホテルの中圏外じゃねえか。

 

どっかにあるはずのホテルの案内板も見つからずさまよっていたらふいにその風呂は現れた。f:id:toiro1107:20191123015302j:image

落書きもふいに現れた。やめろ。

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見覚えのあり過ぎる光景、やっと着いた。


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界隈に名高いかっぱ風呂である。

これが記述されている本に比べ人為的な破壊はあったが、しっかりと残ってくれていた。

広い浴槽、大きな窓。ここで温泉に浸かったらさぞかし気持ちよかった事だろう。たとえそのお湯がかっぱの股間から出ていたとしても。

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どう見ても他殺のかっぱ。

 

さて、メインを見終わってしまえば後はあっさりとしたもので、来た道を戻りつつ侵入口を抜けてホテルの外へ。

既に日は暮れかけ、路傍でススキが揺れていた。まだ未探索の所も多いような気がしたが、慣れない廃墟の中で夜を迎えるのは避けたい。

廃墟を背に、ホテルへと向かった。

 

後日、改めて他の探索者のブログを見てみた。

未探索の所が多いなんてレベルじゃなかった。

ゆえに非常に再訪が望まれる。またいつかのクリスマスに?

f:id:toiro1107:20191123022234j:image↑着目すべきは画面上部。

タイトルに「クリスマス」と入っている意味も分かってもらえるだろう。

ブログを作った話

ブログを作りました。以上です。以下余談。

 

タイトルの「140の範疇外」という言葉は、私に何かしらの刺激が与えられた時にTwitterだと140文字という制限があって日記も書けないな。と思ったから付けました。リプを幾つも重ねるのはなんか嫌だし。

よってここでの文章はわりかし長くなります。

読みやすくなるように努力はしますが。

 

何を書くかは特に決めてはいませんが、おそらく大きくわけて二つのことを話します。

ひとつ、遠くに出かけたこと。

ふたつ、廃墟のこと。

というかこの二要素で九割が構成されているのが私という人間なので、これしか話せません。

ザット イズ オールって奴です。

(2021.12.10追記   それ以外の事も普通に書きます。)

 

余談終わり。このブログを読むかどうかは、私のTwitterを見て判断するのが手っ取り早いと思います。リンク貼っておきましょうか。

まぁ、記事を作っていかないと読む読まない以前の問題なんですけどね。



 

[写真貼れるかのテスト]

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